再建築不可

再建築不可物件とは?接道義務の基本と、持ち主が選べる4つの方法

公開 更新 執筆 合同会社商陣 編集部

結論

  • 再建築不可物件とは、敷地が建築基準法上の道路(原則幅4m以上)に2m以上接していないため、建物を壊すと新しく建てられない物件です(建築基準法43条)。
  • 幅4m未満の道でも、特定行政庁が指定した「2項道路」なら、道路の中心から2m下がる(セットバック)ことで建て替えられます。まず市区町村の建築指導課で道路の種別を確かめるのが出発点です。
  • 2025年4月から、木造2階建ての大規模なリフォームにも建築確認が必要になりました。再建築不可物件でも、特定行政庁が支障ないと認めれば確認を受けられる規定があります。
この記事の目次
  1. 再建築不可物件とは
  2. 再建築不可物件になる3つの形
  3. 幅4m未満でも建て替えられる2項道路とセットバック
  4. 再建築不可物件でも建て替えられる43条2項の認定と許可
  5. 2025年4月の法改正と再建築不可物件のリフォーム
    1. 接道義務を満たさない建物の大規模リフォーム
  6. 再建築不可物件かどうかの調べ方
  7. 再建築不可物件の持ち主が選べる4つの方法
  8. 費用・期限・数字のまとめ
  9. よくある質問

再建築不可物件とは

再建築不可物件とは、今建っている建物を取り壊しても、その敷地に新しく建物を建てられない物件のことです。法律の用語ではなく、不動産の取引で使われる言葉です。

再建築不可物件になるいちばん多い理由は、建築基準法の「接道義務」を満たしていないことです。建築基準法43条1項は、建物の敷地は道路に2m以上接していなければならない、と定めています。ここでいう「道路」は、原則として幅4m以上の、建築基準法で道路と認められたものです(42条1項)。特定行政庁(建築の許可を出す都道府県や市)が指定した区域では、幅6m以上が基準になります。

建築基準法上の道路(幅4m以上) 敷地A接している幅 8m 建て替えできる 敷地B(旗竿地)通路の幅 1.5m 2m未満=建て替え不可 敷地C法上の道路ではない道道路に接していない
接道義務の考え方。Aは道路に2m以上接しているので建て替えられます。Bは通路の幅が2m未満、Cは接している道が建築基準法上の道路ではないため、そのままでは建て替えられません。

なお、接道義務などの規定は、都市計画区域と準都市計画区域の中だけで適用されます(建築基準法41条の2)。それ以外の地域では、接道義務を理由とした再建築不可は起きません。

再建築不可物件になる3つの形

再建築不可物件は、接道義務を満たしていない形によって、次の3つに分かれます。どの形かによって、建て替えられるようにする方法が変わります。

形よくある例考えられる方法
道路に接している幅が2m未満奥の土地につながる通路(竿の部分)が細い旗竿地隣地の一部を買う・借りて2m以上にする
接している道が建築基準法上の道路ではない昔からある私道・農道・幅の狭い通路道路の種別を確かめる。43条2項の認定・許可を相談する
道路にまったく接していない周りを他人の土地に囲まれた土地隣地を通って道路に出る部分を確保する

見た目は道に面していても、その道が建築基準法上の道路かどうかは、現地を見ただけでは分かりません。持ち主が「再建築不可だと思っていたが、調べたら建て替えられた」「逆に建て替えられると思っていた」ということは珍しくありません。

幅4m未満でも建て替えられる2項道路とセットバック

再建築不可物件かどうかを判断するとき、見落としやすいのが「2項道路」です。建築基準法42条2項は、この規定が適用されたときにすでに建物が立ち並んでいた幅4m未満の道で、特定行政庁が指定したものを、道路とみなしています。

2項道路に面した敷地は、道路の中心線から2m下がった線が道路との境界とみなされます。この下がった部分には建物や塀を建てられませんが、そのかわり建て替えができます。これを「セットバック」といいます。

大事なのは、幅4m未満の道に面した家でも、その道が2項道路なら再建築不可物件ではない、ということです。セットバックで使える敷地は狭くなりますが、建て替えられるかどうかは大きく変わります。

再建築不可物件でも建て替えられる43条2項の認定と許可

再建築不可物件でも、建築基準法43条2項の認定か許可を受けられれば、建て替えられる場合があります。

  • 43条2項1号(認定):幅4m以上の「道」に2m以上接していて、用途と規模が国土交通省令の基準に合う建物について、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生上支障がないと認めるもの。
  • 43条2項2号(許可):敷地の周りに広い空地があるなど、特定行政庁が支障がないと認めて、建築審査会の同意を得て許可するもの。

この制度は、以前「43条ただし書き」と呼ばれていた許可の仕組みを、平成30年の建築基準法改正で認定と許可の2つに分けたものです。埼玉県は、認定制度を含むこの改正の施行を平成30年9月25日と案内しています。認定・許可の基準は特定行政庁ごとに決められているので、空き家のある市区町村(または都道府県)の建築指導課で、基準に合いそうかを相談します。

2025年4月の法改正と再建築不可物件のリフォーム

再建築不可物件の持ち主にとって影響が大きいのが、2025年4月1日に施行された建築基準法の改正です。この改正で、木造2階建ての住宅などが「新2号建築物」になり、大規模な修繕・大規模な模様替えにも建築確認が必要になりました。

国土交通省の資料では、主要構造部(壁・柱・床・はり・屋根・階段)のいずれかについて、その過半を改修するものが大規模なリフォームにあたり、2025年4月以降に着手するものは建築確認の対象とされています。キッチンや浴室などの水回りだけのリフォームや、手すり・スロープの設置は対象外です。

接道義務を満たさない建物の大規模リフォーム

建築確認が必要になると、再建築不可物件は大規模なリフォームもできないのでは、と心配になります。これについて建築基準法施行令137条の12第11項は、接道義務を満たしていない既存の建物でも、用途を変えないこと(利用する人が増えない用途変更は可)と、特定行政庁が交通・安全・防火・衛生上支障がないと認めることを条件に、大規模な修繕・模様替えに接道義務を適用しない、と定めています。

つまり、再建築不可物件でも、特定行政庁が認めれば、建築確認を受けて大規模なリフォームをする道があります。リフォームを考えているなら、工事の範囲が大規模なリフォームにあたるかどうかと、この認定を受けられるかどうかを、設計者と建築指導課に先に確かめてください。

再建築不可物件かどうかの調べ方

再建築不可物件かどうかは、敷地が接している道が建築基準法上の道路か、どの種別の道路かを調べると分かります。調べる先は、空き家のある市区町村(または都道府県)の建築指導課です。

  1. 道路の種別を確かめる。多くの自治体は、指定道路図(建築基準法上の道路の種類と位置を記した図)をインターネットや窓口で公開しています。
  2. 接している幅を確かめる。法務局で公図や地積測量図を取り、道路に接している部分の長さを確かめます。
  3. 判断がつかなければ照会する。建築指導課に、敷地の場所を示して道路の種別を問い合わせます。

たとえば新潟市は、国道・県道・市道の道路台帳平面図と位置指定道路を「にいがたeマップ」で確認できるようにしています。道路の種別の照会は建築行政課の窓口・FAX・メールで受け付けていて、電話では受け付けていません。指定道路の証明書は1通600円です(2026年4月時点の案内)。横浜市は、指定道路図を「i-マッピー」で閲覧・印刷できるようにしています。

再建築不可物件の持ち主が選べる4つの方法

再建築不可物件の持ち主が選べる方法は、大きく4つです。どれを選ぶかは、建て替えられるようにできる見込みと、費用のバランスで決めるのが良いです。

方法内容向いている場合
建て替えられるようにする隣地の一部を買う・借りて2m以上接するようにする。43条2項の認定・許可を受ける隣地の持ち主と話ができる。周りに広い空地がある
リフォームして使う・貸す建物を残して修繕する。大規模なリフォームは建築確認と特定行政庁の認定が必要建物の状態が比較的よい
そのまま売る再建築不可であることを伝えたうえで売る。隣地の持ち主が買い手になることがある早く手放したい
解体して更地で持つ・手放す建物を解体する。解体後は住宅用地の特例が外れ、固定資産税が上がる建物が危険な状態になっている

再建築不可物件は、一度解体すると新しく建てられません。解体は最後の手段と考えて、先に建て替えられるようにする方法と売る方法を確かめるのが安全です。解体したときの税金の変わり方は空き家の固定資産税で説明しています。

費用・期限・数字のまとめ

項目数字・内容根拠
接道義務建築基準法上の道路に2m以上接する建築基準法43条1項
道路の幅原則4m以上(特定行政庁が指定した区域は6m以上)建築基準法42条1項
2項道路幅4m未満で指定された道。中心線から2m下がった線が境界建築基準法42条2項
適用される地域都市計画区域・準都市計画区域の中だけ建築基準法41条の2
建て替えの例外43条2項1号の認定/2号の許可(建築審査会の同意)建築基準法43条2項
リフォームの建築確認2025年4月1日から、木造2階建て等の大規模な修繕・模様替えも対象建築基準法6条、国土交通省
接道不適合の建物の大規模リフォーム用途を変えず、特定行政庁が認めれば接道義務を適用しない建築基準法施行令137条の12第11項

よくある質問

再建築不可物件はリフォームできますか?
できます。ただし2025年4月1日から、木造2階建てなどの大規模なリフォームには建築確認が必要です。接道義務を満たさない建物でも、用途を変えず、特定行政庁が支障がないと認めれば、大規模なリフォームの確認を受けられる規定があります。
家の前の道の幅が4m未満です。再建築不可ですか?
その道が特定行政庁の指定した2項道路なら、道路の中心線から2m下がる(セットバック)ことで建て替えられます。市区町村の建築指導課で道路の種別を確かめてください。
再建築不可かどうかはどこで調べられますか?
空き家のある市区町村(または都道府県)の建築指導課です。指定道路図をインターネットで公開している自治体も多くあります。
再建築不可物件は売れますか?
売れます。再建築不可であることを買主に伝えたうえで売ります。隣地の持ち主にとっては、自分の土地と合わせることで使いやすくなるため、買い手になることがあります。

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