買う・もらう
0円物件で後悔しないために|よくある罠と、タダでもかかる税金・費用
結論
- 0円物件は、持ち主が空き家を無償で譲る(贈与する)か、0円で売る物件です。家の代金は0円でも、登録免許税・不動産取得税・固定資産税はかかります。
- 0円物件で後悔しやすいのは、建て替えできない土地、農地付きで許可が取れない、修繕費が代金を大きく上回るといった理由で、持ち主が手放したがっている物件です。
- 贈与で譲り受けた家は住宅ローン控除の対象外です。個人から評価額が年110万円を超える家をもらうと贈与税、法人からもらうと所得税(一時所得)がかかります。
この記事の目次
0円物件とは
0円物件とは、持ち主が空き家を代金なしで手放す物件のことです。法律上は、代金を受け取らずに譲る「贈与」か、代金を0円とする売買の形になります。空き家を持ち続けると、固定資産税や管理の手間、傷んだときの責任がかかり続けるため、持ち主にとっては「お金を払ってでも手放したい」空き家が0円物件として出てきます。
ポイントは、0円物件は「持ち主がその家を持つ負担を、もらう人に引き継ぐ」取引だということです。0円なのは家の代金だけで、持ち主がかかえていた費用と手間は、もらった人に移ります。
0円物件で後悔する5つの罠
0円物件で後悔する理由は、たいてい「なぜ0円なのか」を確かめなかったことにあります。よくあるのは次の5つです。
0円物件でよくある5つの罠
- 建て替えできない土地(再建築不可)道路に2m以上接していないと、建物を壊すと新しく建てられない
- 市街化調整区域にある建て替えや用途の変更に知事などの許可が要る
- 農地が付いていて許可が取れない農地の取得には農業委員会の許可が要り、許可のない取得は効力がない
- 修繕・片付けの費用が大きい雨漏り・床下の傷み、残った家財の処分で、家の代金(0円)を大きく上回る費用がかかることがある
- 未登記・境界があいまい名義を移す前に表題登記が要る、隣との境界で揉めることがある
それぞれの確かめ方は空き家購入の注意点10選で説明しています。とくに土地の制限は、お金をかけても後から変えにくいので、先に確かめてください。
0円物件でもかかる税金と費用
0円物件でも、名義を移すときと、持ち続けるあいだの税金はかかります。評価額が土地300万円・建物100万円の空き家を0円でもらった場合の目安は次のとおりです(軽減措置を考えない概算)。
0円物件でもかかる税金(評価額 土地300万円・建物100万円の例)
| 費用 | どんなときにかかるか |
|---|---|
| 贈与税 | 個人から譲り受け、その年にもらった財産の評価額の合計が110万円を超えるとき |
| 所得税(一時所得) | 法人(会社)から譲り受けたとき。贈与税ではなく所得税の対象になる |
| 登録免許税 | 名義を自分に移す登記をするとき(評価額の2%) |
| 不動産取得税 | 不動産を取得したとき。贈与でもかかる(土地・住宅3%) |
| 固定資産税 | 譲り受けた翌年度から毎年 |
| 修繕・片付け・解体 | 住める状態にする費用、残った家財の処分、建て替えるときの解体 |
自分のケースの総額は、空き家購入の費用計算シート(無料Excel)に評価額と見積もりを入れると出せます。
0円物件をタダでもらうと贈与税はかかる?
0円物件を個人からタダでもらうと、贈与として扱われます。その年に個人からもらった財産の評価額の合計が110万円を超えると、贈与税がかかります(暦年課税の基礎控除)。不動産の評価は、固定資産税の評価額とは別の方法(土地は路線価など)で行うので、税額は税務署か税理士に確かめてください。
1万円などの安い値段で買った場合(みなし贈与)
0円ではなく、数万円などの安い値段で買った場合も注意が要ります。個人から著しく低い値段で財産を買うと、時価(通常の取引価額)との差額を贈与でもらったものとみなされます(相続税法7条)。著しく低いかどうかは個々の事情で判断され、「時価の半分」のような決まった線はありません。
会社(法人)からもらった場合
不動産会社などの法人から譲り受けた場合は、贈与税ではなく所得税がかかります。一時所得として扱われ、特別控除(最高50万円)を引いた残りの2分の1が課税の対象です。
0円物件は住宅ローン控除が使えない
0円物件を贈与で譲り受けた場合、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)は使えません。国税庁は、中古住宅の住宅ローン控除の要件に「贈与による住宅の取得でないこと」を挙げています。リフォームのためにローンを組む予定があるなら、どの控除や補助が使えるかを先に確かめてください。
自治体の空き家の購入補助も、0円では使えないものがあります。たとえば新潟市の移住定住・住替えの補助は、10万円以上で購入することが条件です(新潟市の空き家差し上げますで説明しています)。購入の補助を使うなら、補助の条件と代金の関係を確かめてから話を進めます。
0円物件を探す・もらうときの流れ
贈与では、譲る人の責任は売買より軽くなります(民法551条)。傷みや設備の不具合をどう扱うか、家財を誰が片付けるかは、書面に残しておくと安心です。
このサイトでは、個別の0円物件の紹介やあっせんはしていません。探し方は空き家バンクで空き家を購入する流れで説明しています。
0円物件のまとめ(費用・期限・数字)
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 贈与税 | 個人から、年の合計110万円を超える財産をもらったとき | 国税庁 No.4402 |
| 安い値段での売買 | 時価との差額が贈与とみなされる(著しく低い場合。決まった線はない) | 相続税法7条、国税庁 No.4423 |
| 法人からもらった場合 | 所得税(一時所得)。特別控除最高50万円、その2分の1が課税 | 国税庁 No.4402・No.1490 |
| 登録免許税 | 所有権移転の登記は評価額の2% | 国税庁 No.7191 |
| 不動産取得税 | 贈与でもかかる。土地・住宅3% | 地方税法 |
| 住宅ローン控除 | 贈与で取得した住宅は対象外 | 国税庁 No.1211-3 |
| 譲る人の責任 | 贈与は売買より軽い | 民法551条 |
0円物件のよくある質問
- 0円物件はやばいですか?
- 0円物件そのものが違法や詐欺というわけではありません。ただし、建て替えできない、農地付きで許可が取れない、修繕費が大きいなど、持ち主が手放したい理由を持っていることが多いので、なぜ0円なのかを確かめてから決めるのが安全です。
- 家をタダであげますと言われたら、贈与税はかかりますか?
- 個人からもらった財産の評価額の合計が、その年に110万円を超えると贈与税がかかります。法人からもらった場合は、贈与税ではなく所得税(一時所得)の対象です。
- 0円物件でも住宅ローン控除は使えますか?
- 贈与で譲り受けた住宅は、住宅ローン控除の対象外です。
- 0円物件はどこで探せますか?
- 自治体の空き家バンクや、全国版空き家・空き地バンクで探せます。民間の0円物件の掲示板もありますが、運営のしくみや責任の範囲はサイトごとに違うので、利用規約を確かめてください。
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出典
この記事は次の一次情報をもとに書いています(2026年9月時点)。
この記事は2026年9月時点の法令・制度をもとにしています。税金・登記・補助金の扱いは個別の事情と年度で変わるため、最終的な判断は税理士・司法書士・市区町村の窓口に確認してください。詳しくは免責事項をご覧ください。