買う・もらう
古家付き土地の購入の注意点|解体費用は誰が払う?現況渡しのトラブルとそのまま住むとき
結論
- 古家付き土地は、古い建物が残ったまま売られる土地です。購入の注意点は、解体費用を誰が持つか、解体の届出と登記、解体後の固定資産税、現況渡しの責任の範囲の4つです。
- 現況のまま買って自分で解体するなら、床面積80㎡以上は着手の7日前までに建設リサイクル法の届出、壊したら1か月以内に建物滅失登記が要ります。
- 1月1日に建物がない土地は、その年度から住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がります。解体と新築の時期は、1月1日をまたぐかどうかで考えます。
この記事の目次
古家付き土地とは
古家付き土地とは、古い建物が建ったまま売りに出されている土地のことです。法律で決まった定義はありませんが、一般には、建物の価値はほとんど見ずに、土地の値段で売られているものを指します。建物を壊してから売る「更地」に比べて、売主が解体費用をかけずに売れるため、そのぶん価格が抑えられていることがあります。
建物が残ったまま売る
- 解体するかは買主が決める
- 解体費用は買主持ちのことが多い
- 建物をそのまま使う道もある
建物を壊してから売る
- すぐに建てられる
- 解体費用は売主が持つ
- そのぶん価格は上がりやすい
ポイントは、古家付き土地の安さには、解体費用や建物の傷みの分が含まれていることです。代金だけで比べず、解体費用と手続きまで足した総額で、更地と比べるのが良いです。
古家付き土地の購入の注意点1:解体費用は誰が払う?
古家付き土地の解体費用を誰が払うかは、法律では決まっていません。売買の条件で決めます。よくあるのは次の2つの形です。
| 形 | 解体費用 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 現況のまま引き渡す(買主が解体) | 買主 | 見積もりを取ってから価格を交渉する。地中から古い基礎や浄化槽が出ると追加費用になる |
| 売主が解体して更地で引き渡す | 売主(価格に上乗せされることが多い) | 解体の範囲(基礎・ブロック塀・庭木・浄化槽)と、引渡しの期日を契約書に書く |
解体費用の目安として、国土交通省が補助の計算に使う除却工事費の上限単価は、令和8年度で木造1㎡あたり36,000円、非木造51,000円です。実際の費用は、建物の大きさ、道の広さ、アスベストの有無で変わるので、必ず見積もりを取ります。解体費用の内訳と補助は空き家の解体費用で説明しています。
上限単価(1㎡・令和8年度)
届出が要る床面積
建物滅失登記まで
古家付き土地の購入の注意点2:解体するときの手続き
古家付き土地を買って自分で解体するときは、工事の前と後に手続きがあります。解体業者が代わりに行うものもありますが、届出の義務は発注者(買主)にあるものもあるので、誰がやるかを先に決めておきます。
建物滅失登記は、建物の名義人がすることになっています。買ってから壊すなら買主、売主が壊してから引き渡すなら売主です。名義を移す前に壊す場合は、どちらが申請するかを決めておきます。
古家付き土地の購入の注意点3:解体したあとの固定資産税
古家付き土地を解体すると、土地の固定資産税が上がります。住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」で税額が下がっていますが、1月1日に建物がないと、その年度は特例が外れるからです。兵庫県朝来市の説明では、解体後の土地の税額はおおむね最大4.2倍になります。
新しく家を建てるなら、解体から新築までが1月1日をまたぐかどうかで、1年分の税額が変わります。1月1日に建て替えの工事中になりそうなときは、扱いを市区町村の資産税課に確かめてから、解体の時期を決めます。仕組みは空き家の固定資産税で説明しています。
古家付き土地のトラブル(現況渡し・地中の埋設物)
古家付き土地のトラブルで多いのは、買ったあとに見つかる問題です。買主は、契約の内容と合わないものを売主に求められますが(民法562条)、個人どうしの売買では、売主が責任を負わない特約(免責)を付けた「現況渡し」がよくあります。
古家付き土地を買う前に確かめること
- 地中に古い基礎・浄化槽・がれきがないか解体してから見つかると、撤去の費用がかかる。売主に心当たりを聞いて書面にしてもらう
- 現況渡し(免責)の範囲特約があっても、売主が知りながら告げなかったことは責任を免れない(民法572条)
- 知らせる期限種類・品質の不適合は、知ってから1年以内に売主に通知する(民法566条)
- 境界隣との境界標があるか。解体で壊れることもあるので位置を記録しておく
- 建て替えできるか道路に2m以上接していないと、解体すると建てられない(建築基準法43条)
売主が宅建業者なら、通知の期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、買主に不利な特約は無効です(宅建業法40条)。個人の売主から買うときほど、買う前の確認が大事になります。
古家付き土地の古家にそのまま住むとき
古家付き土地の古家に、解体せずにそのまま住む選択もあります。解体費用がかからず、固定資産税も住宅用地の特例のままです。そのかわり、建物の状態と、使える制度を先に確かめます。
- 建物の傷みは、建物状況調査(インスペクション)で専門家に見てもらう
- 昭和56年5月以前の旧耐震なら、耐震診断・改修の費用も見込む
- 住宅ローン控除は、登記上の建築日が昭和57年1月1日以後か、耐震基準に適合する証明などがあることが要件
- 未登記の建物や増築があれば、名義を移す前に表題登記が要る
内覧で見る場所は空き家の内覧チェックリスト(無料Excel)に、解体するか住むかの総額の比べ方は空き家購入の費用計算シート(無料Excel)にまとめています。
古家付き土地の購入の注意点のまとめ(費用・期限・数字)
| 項目 | 数字・内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 解体費用 | 誰が払うかは売買の条件で決める。木造の除却工事費の上限単価は1㎡36,000円(令和8年度) | 国土交通省 標準建設費等 |
| 建設リサイクル法の届出 | 床面積80㎡以上。着手の7日前までに発注者が届出 | 建設リサイクル法10条、施行令2条 |
| アスベストの事前調査の報告 | 解体する床面積80㎡以上。2022年4月1日から | 大気汚染防止法、環境省 |
| 建物滅失登記 | 取り壊してから1か月以内。登録免許税はかからない | 不動産登記法57条 |
| 解体後の固定資産税 | 1月1日に建物がないと住宅用地の特例が外れる。おおむね最大4.2倍 | 地方税法、朝来市 |
| 現況渡し(免責) | 知りながら告げなかったことは免責されない。不適合は知ってから1年以内に通知 | 民法566条・572条 |
| 建て替え | 道路に2m以上接していないと建てられない | 建築基準法43条 |
古家付き土地の購入の注意点のよくある質問
- 古家付き土地の解体費用は誰が払いますか?
- 法律では決まっておらず、売買の条件で決めます。現況のまま引き渡すなら買主、売主が解体して更地で引き渡すなら売主が払うのが一般的です。
- 古家付き土地を買ってすぐ解体すると固定資産税は上がりますか?
- 上がります。1月1日に建物がないと、その年度から住宅用地の特例が外れます。新しい家が1月1日までに建てば、特例はまた使えます。
- 古家付き土地の現況渡しで、あとから問題が見つかったらどうなりますか?
- 免責の特約があれば、原則として売主に求められません。ただし、売主が知りながら告げなかった問題は、特約があっても責任を免れません(民法572条)。
- 古家付き土地の古家にそのまま住めますか?
- 住めます。建物状況調査で傷みを確かめ、旧耐震なら耐震改修の費用も見込みます。住宅ローン控除は、昭和57年1月1日以後の建築か、耐震基準適合の証明などが要件です。
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出典
この記事は次の一次情報をもとに書いています(2026年10月時点)。
この記事は2026年10月時点の法令・制度をもとにしています。税金・登記・補助金の扱いは個別の事情と年度で変わるため、最終的な判断は税理士・司法書士・市区町村の窓口に確認してください。詳しくは免責事項をご覧ください。