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空き家購入の注意点10選|買ってはいけない空き家の見分け方とデメリット

公開 更新 執筆 合同会社商陣 編集部

結論

  • 空き家購入の注意点は、土地(建て替え・使い方の制限)・建物(傷みと登記)・お金と契約の3つに分けて確かめると漏れが減ります。
  • 買ってはいけない空き家の代表は、道路に2m以上接していない(再建築不可)、市街化調整区域で建て替えに許可が要る、農地付きで農業委員会の許可が取れない物件です。
  • 個人どうしの売買では、売主の責任を負わない特約(契約不適合責任の免責)がよく付きます。買う前に建物状況調査(インスペクション)を入れて、傷みを自分で確かめるのが安全です。
この記事の目次
  1. 空き家購入の注意点は「建てられるか・住めるか・総額」の3つ
  2. 空き家購入の注意点1〜3:土地の制限(再建築不可・調整区域・農地)
    1. 注意点1:道路に2m以上接しているか(再建築不可)
    2. 注意点2:市街化調整区域ではないか
    3. 注意点3:農地が付いていないか
  3. 空き家購入の注意点4〜7:建物の状態と登記
    1. 注意点4:昭和56年5月以前の旧耐震ではないか
    2. 注意点5:傷みは建物状況調査(インスペクション)で確かめる
    3. 注意点6:建物が登記されているか
    4. 注意点7:浄化槽・水道などのインフラ
  4. 空き家購入の注意点8〜10:お金と契約
    1. 注意点8:契約不適合責任の免責特約
    2. 注意点9:代金以外にかかる総額
    3. 注意点10:住宅ローン控除が使えるか
  5. 買ってはいけない空き家の見分け方
  6. 空き家購入の前に確かめる窓口
  7. 空き家購入の注意点のまとめ(費用・期限・数字)
  8. 空き家購入の注意点のよくある質問

空き家購入の注意点は「建てられるか・住めるか・総額」の3つ

空き家購入の注意点は数が多く見えますが、確かめることは大きく3つに分かれます。土地がどう使えるか、建物がどんな状態か、そして代金以外に何がかかるかです。空き家は代金が安い分、この3つのどれかに理由があることが多いので、「なぜ安いのか」を先に確かめるのが近道です。

土地

建て替えられるか・使えるか

  • 道路に2m以上接しているか(再建築不可)
  • 市街化調整区域ではないか
  • 農地が付いていないか
建物

住める状態か

  • 昭和56年5月以前の旧耐震ではないか
  • 雨漏り・傷みはどこまでか
  • 登記されているか・浄化槽はどうか
お金と契約

総額と責任の範囲

  • 税金・片付け・リフォームを足した総額
  • 契約不適合責任の免責特約
  • 住宅ローン控除が使えるか
空き家購入の注意点の3つの分け方

空き家購入の注意点1〜3:土地の制限(再建築不可・調整区域・農地)

注意点1:道路に2m以上接しているか(再建築不可)

建築基準法では、建物の敷地は幅4m以上の道路に2m以上接していなければなりません(43条)。これを満たさない空き家は、今の建物を壊すと新しく建てられない「再建築不可」の物件です。値段がとても安い空き家は、この理由であることがよくあります。市区町村の建築指導課で、接している道が建築基準法上の道路かを確かめてください。詳しくは再建築不可物件とはをご覧ください。

注意点2:市街化調整区域ではないか

市街化調整区域は、市街化を抑える区域です(都市計画法7条)。この区域では、建物の新築・改築・用途の変更に都道府県知事などの許可が要ります(43条)。住宅として使っていた空き家を、店舗や民泊など別の用途に変えるときも許可の対象です。国土交通省は、空き家の用途変更の許可を柔軟に運用するよう自治体に通知していますが、許可が出るかは自治体ごとの判断です。

注意点3:農地が付いていないか

地方の空き家には、畑や田が付いていることがあります。農地を買う・もらうには、農業委員会の許可が要ります(農地法3条)。許可を受けずにした売買や贈与は効力を生じません。令和5年4月1日に下限面積の要件はなくなりましたが、耕作の具体的な計画を示さない取得は、資産保有や投機の目的とみなされて許可されません。家だけ欲しい場合は、農地を外せるか売主と相談してください。

空き家購入の注意点4〜7:建物の状態と登記

注意点4:昭和56年5月以前の旧耐震ではないか

建物の耐震基準は、昭和56年(1981年)6月1日に新しい基準に変わりました。国土交通省は、昭和56年以前の旧耐震基準の建物には耐震性が不十分なものが多いとしています。旧耐震の空き家を住まいにするなら、耐震診断と耐震改修の費用も見込んでおきます。多くの市区町村に耐震診断・改修の補助があります。

注意点5:傷みは建物状況調査(インスペクション)で確かめる

長く人が住んでいない家は、雨漏りや柱・床下の傷みが外から見えにくくなっています。建物状況調査(インスペクション)は、構造の主な部分と雨水の入る部分を専門家が調べるものです。国土交通省の手引きでは、所要時間は1〜3時間程度、費用は6万円程度からが目安とされています。不動産会社の仲介で買う場合は、媒介契約書に調査を行う人のあっせんについて書くことになっています(宅建業法34条の2)。

注意点6:建物が登記されているか

古い空き家や増築部分は、登記されていない(未登記)ことがあります。未登記のままだと名義を移せず、住宅ローンも組みにくくなります。売主に表題登記をしてもらうか、費用と手間をどちらが持つかを先に決めておきます。詳しくは未登記建物とはをご覧ください。

注意点7:浄化槽・水道などのインフラ

下水道のない地域の空き家は、浄化槽を使っています。浄化槽は、毎年1回の法定検査(浄化槽法11条)のほか、家庭用の小型のものは4か月に1回以上の保守点検、年1回以上の清掃が必要です。長く使っていない浄化槽は、使い始める前の点検や修理の費用がかかることがあります。井戸水やプロパンガスかどうかも確かめておきます。

空き家購入の注意点8〜10:お金と契約

注意点8:契約不適合責任の免責特約

買った家に、契約の内容と合わない傷み(雨漏りなど)があったとき、買主は売主に修理などを求められます(民法562条)。ただし、種類・品質の不適合は、買主が知ってから1年以内に売主に知らせる必要があります(566条)。

個人どうしの空き家の売買では、この責任を負わないという特約がよく付きます。特約があっても、売主が知っていながら告げなかった傷みについては責任を免れません(572条)。一方、宅建業者が自ら売主のときは、知らせる期間を引渡しから2年以上とする特約以外の、買主に不利な特約は無効です(宅建業法40条)。

個人が売主(空き家に多い)
  • 責任を負わない特約(免責)が付くことが多い
  • 知りながら告げなかった傷みは免責されない
  • 買う前の建物状況調査が大事
宅建業者が売主
  • 買主に不利な特約は無効
  • 知らせる期間を引渡しから2年以上とする特約は有効
  • 買取再販の空き家などが当たる
売主が誰かで、買ったあとの責任の範囲が変わります

注意点9:代金以外にかかる総額

空き家は、代金のほかに、名義を移す登記の登録免許税(評価額の2%)、不動産取得税(土地・住宅は3%)、仲介手数料、片付け、リフォームがかかります。翌年度からは固定資産税もかかります。総額は空き家購入の費用計算シート(無料Excel)に評価額と見積もりを入れると出せます。

注意点10:住宅ローン控除が使えるか

中古住宅の住宅ローン控除は、登記上の建築日が昭和57年1月1日以後であること、またはそれより前なら取得前2年以内の耐震基準適合証明などがあることが要件です。床面積50㎡以上などの条件もあります。贈与で譲り受けた住宅は対象外です。

買ってはいけない空き家の見分け方

買ってはいけない空き家は、「お金をかけても直せない理由」を持っている空き家です。建物の傷みは費用をかければ直せますが、土地の制限は後から変えにくいので、先に土地の条件から確かめます。

買ってはいけない空き家になりやすい10の条件

  • 道路に2m以上接していない建て替えできない(再建築不可)
  • 市街化調整区域にある建て替え・用途変更に許可が要る
  • 農地が付いていて、農業委員会の許可が取れない許可のない取得は効力がない
  • 建物が未登記のまま名義を移せず、ローンも組みにくい
  • 昭和56年5月以前の旧耐震で、耐震改修の予算がない耐震性が不十分なものが多い
  • 雨漏り・床下の傷みを調べずに買う建物状況調査は6万円程度から
  • 浄化槽・井戸が使えるか分からない使い始める前の点検・修理費がかかる
  • 免責特約付きで、傷みの説明がない買ったあとの修理は自分持ち
  • 総額を計算していない税金・片付け・リフォームで代金を上回ることもある
  • 住宅ローン控除が使えない条件昭和57年より前で適合証明がない、贈与で取得など

空き家購入の前に確かめる窓口

空き家購入の注意点は、どれも役所の窓口で確かめられます。買う前に、次の窓口を回っておくと安心です。

確かめること窓口
接している道が建築基準法上の道路か・建て替えできるか市区町村(または都道府県)の建築指導課
市街化調整区域か・用途変更に許可が要るか市区町村の都市計画課・開発指導課
農地が付いているか・許可が取れるか市町村の農業委員会
登記されているか・名義は誰か法務局(登記事項証明書)
評価額・固定資産税市区町村の資産税課(売主の課税明細書でも分かる)
使える補助金・空き家バンク市区町村の空き家担当課・移住の窓口

空き家バンクで探すときの流れは空き家バンクで空き家を購入する流れで、0円で譲り受けるときの注意は0円物件で後悔しないためにで説明しています。

空き家購入の注意点のまとめ(費用・期限・数字)

注意点数字・根拠
再建築不可幅4m以上の道路に2m以上接していないと建て替え不可(建築基準法43条)
市街化調整区域新築・改築・用途変更に知事等の許可(都市計画法43条)
農地付き取得には農業委員会の許可(農地法3条)。下限面積は令和5年4月1日に廃止
旧耐震昭和56年6月1日に新耐震基準
建物状況調査1〜3時間程度・6万円程度から(国交省の手引き)
浄化槽法定検査は年1回、小型は保守点検4か月に1回以上・清掃年1回以上
契約不適合知ってから1年以内に通知(民法566条)。宅建業者が売主なら2年以上の特約以外の不利な特約は無効
住宅ローン控除昭和57年1月1日以後の建築か耐震基準適合証明など。贈与での取得は対象外

空き家購入の注意点のよくある質問

買ってはいけない空き家はどんな空き家ですか?
道路に2m以上接していない再建築不可の空き家、市街化調整区域で建て替えに許可が要る空き家、農業委員会の許可が取れない農地付きの空き家など、お金をかけても土地の制限が変えられない空き家です。
空き家を買う前に建物を調べてもらえますか?
建物状況調査(インスペクション)を頼めます。国土交通省の手引きでは、1〜3時間程度、費用は6万円程度からが目安です。
個人から空き家を買うと、あとで雨漏りが見つかっても直してもらえませんか?
売主が責任を負わない特約(免責)を付けることが多いため、直してもらえない場合があります。ただし、売主が知っていながら告げなかった不具合は、特約があっても責任を免れません。
古い空き家でも住宅ローン控除は使えますか?
登記上の建築日が昭和57年1月1日以後か、それより前なら耐震基準適合証明などがあれば使えます。贈与で譲り受けた場合は使えません。
空き家購入のデメリットは何ですか?
建物の傷みや設備の修理費がかかりやすいこと、土地の制限で建て替えや用途変更ができないことがあること、個人間売買では売主の責任が免除されやすいことです。

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